ZESDA's blog

グローカルビジネスをプロデュースする、パラレルキャリア団体『NPO法人ZESDA』のブログです。

プロデューシング・システムを創ることで、日本経済の活性化を目指す、NPO法人ZESDAのブログです。


【開催告知1/22@政策研究大学院大学】第1回プロデュース人材育成講座「産学・産産連携によるイノベーション創出に向けたプロデュースのあり方、やり方について」①

 NPO法人ZESDAは研究・イノベーション学会 プロデュース研究分科会とともに、座学、事例研究と外部招聘講義を通じて、多様な産学連携コンテクストや イノベーション事例を学習し、「気づき」「視点を変え」「考察する」ことによって、国際競争力の源泉となる産学共創推進・研究開発収益化・社会実装の科学技術イノベーションの事業推進力を醸成させるべく、「産学・産産連携によるイノベーション創出に向けたプロデュースのあり方、やり方について」をテーマにプロデュース人材の育成に取り組んで参ります。

 記念すべき第1回は、「①科学技術・産学連携オープンイノベーション推進モデル概論」について、大津留榮佐久氏にご講演を頂きます。

 産学連携によるイノベーション推進モデル、協調領域と競争領域の戦略的ブリッジ機能、産学連携におけるプロデューサシップのあり方・やり方の事例研究等に触れつつ、座学だけでなく、受講者と大津留先生によるディスカッションを開催し、プロデュースの実行にあたっての苦労話や参加の皆様の実体験に基づいた疑問等について率直な議論を交わすことで、より深い考察が得られるためセッションとなっております。

 どうぞ、ご参加ください!

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■講師(敬称略)
 ・大津留 榮佐久 (名古屋大学未来社会創造機構オープンイノベーション推進室 特任教授 ビジネスプロモータ)
■日時:2020年1月22日(水) 18:30~20:30
■会場:政策研究大学院大学1階研究会室1C
   (東京都東京都港区六本木7-22-1)
■参加費:無料
■参加申し込み:https://www.kokuchpro.com/event/producership101/
■懇親会:会費3000円程度を予定

www.kokuchpro.com

鶴岡イノベーションヴィレッジ訪問、ベンチャー企業との論議&温泉宿泊ツアー 開催報告

f:id:ZESDA:20200101011215p:plain▲集合写真

2019年12月21日〜22日、我々NPO法人ZESDAは研究・イノベーション学会プロデュース研究分科会と共に「鶴岡イノベーションヴィレッジ訪問、ベンチャー企業との論議&温泉宿泊ツアー」を開催いたしました。

今回の記事は去年開催されたツアー同様に、事務局スタッフの永渕(立教大学3年生)が担当させていただきます。去年の鶴岡のツアーにも参加し記事を書かせてもらった身として、自分なりに考えたこと・感じたことなどを書かせていただければなと思います。

昨年の記事
http://zesda.hatenablog.com/entry/2018/12/25/095608

今回のツアーには、評論家の宇野常寛氏・音喜多駿参議院議員・伊藤正実群馬大教授(前産学連携学会長)三宅秀道専修大准教授(主著に「新しい市場のつくり方」)などなど各界で活躍する豪華メンバーが総勢40名参加しました。最先端テクノロジーベンチャーが集積し、地方創生の成功例として注目を集めている鶴岡にて、知的産業による地方活性化に関してツアー参加者全員で考える企画となりました。

<第一部> 冨田所長講演及び質疑応答並びに施設見学


f:id:ZESDA:20200101011322p:plain▲講演する冨田勝慶應義塾大学生命先端科学研究所長

12月21日13時30分、会場に参加者が集合し、ツアーは冨田所長の「脱優等生」をテーマにした講演で幕をあけました。

「異端妄説の譏(そしり)を恐ることなく、勇を振て我思う所の説を吐くべし」。福沢諭吉著『文明論の概略』の一節に、冨田所長は現在の日本社会に圧倒的に足りていない「脱優等生」の姿を見ます。過ちを犯さないように振る舞い、周囲から褒められるための努力を重ねる優等生。「脱優等生」とは彼らとは反対に、「人とは違うことをする人」。自らの興味関心に突き進み、世の中の進歩を促していく人材であると冨田所長は説明します。

受験を経由した優等生を育成するための教育ではなく、ブレイクスルーを起こすことのできる「脱優等生」をいかに育成するか。冨田所長がこれまで辿ってこられた軌跡が語られました。

冨田所長の講演のあと、参加者一同は、代謝物の解析をはじめとした先端的な基礎研究を支えるメタボローム解析器が多数整備された研究ラボの見学へと赴きました。


f:id:ZESDA:20200101011458p:plain▲メタボローム解析器の解説をおこなう冨田所長(於:慶應義塾大学先端生命研究所バイオラボ棟)


f:id:ZESDA:20200101011525p:plain▲施設案内をする冨田所長


冨田所長いわく、細胞内にある数百種類の代謝物を一斉解析できる高性能なメタボローム解析器がここまで集まっているのは世界中でも鶴岡だけであるそうです。世界最先端の技術を他国の研究機関を圧倒するスケールで保持することによって、他の研究機関に競争ではなく共同研究を提案させる効果もあるとか。「イノベーションに必要なものは、選択と集中と少しのハッタリ」と笑いながら話す冨田所長の姿はとても印象的でした。

<第二部:バイオベンチャーによるプレゼンと論議>

施設見学終了後は、第二部:<第二部:バイオベンチャーによるプレゼンと論議>です。
まず同研究所出身であるメタジェンCOOの村上慎之介氏、spiber代表の関山和秀氏。そして今回のツアー参加者でもあるdategatewayCEDの向縄嘉律哉氏による講演が行われました。


f:id:ZESDA:20200101011553p:plain▲メタジェン村上氏

メタジェンの村上氏からは、人々が個々に持つ腸内細菌の多様性に着目した将来の健康の在り方について話していただきました。社会システムレベルで腸内細菌が管理され、人間が自身の身体に鋭敏に反応し健康を管理することできる未来を予感させる内容で非常に興味深かったです。


f:id:ZESDA:20200101011621p:plain▲bitgrid/dategateway向縄氏

bitgrid/dategatewayの向縄氏はデータサイエンスに関しての講演をしてくださいました。グローバル規模でデータドリブンを展開し、世界中にデータサイエンスコミュニティを形成するという壮大なテーマでの講演で熱がこもった内容でした。


f:id:ZESDA:20200101011646p:plain▲spiber関山社長


spiberの関山氏からは、去年の講演から1年を経て、クモの糸の実用生産に関するspiberの事業展開の成果や今後の展望に関して話していただきました。クモの糸の原材料であるタンパク質の天文学的な結合パターンに秘められた可能性、アパレルと車産業におけるこれからのspiberの展開などについての内容で、去年よりもかなり具体的な内容に話が踏み込まれており、spiberに大きな転進があったことがわかる内容でした。

<第三部:ディスカッション>

講演会の最後に冨田所長・関山氏・村上氏とプロデュース研究分科会、伊藤正実教授とのパネルディスカッションが行われました。

f:id:ZESDA:20200101011718p:plainf:id:ZESDA:20200101011741p:plain▲パネルディスカッションの様子(右から伊藤正実教授・冨田勝所長・メタジェン村上慎之介COO・spiber関山和秀社長)

ディスカッションは伊藤正実教授の進行により、緊張感のあふれる刺激的な内容となりました。冨田所長が生命科学に関心を持った理由・先生が見出しているデータドリブンとバイオロジーの将来の可能性・大学ベンチャーの現状・慶應大先端生命科学研究所という革新的なアイデアが生み出される空間をデザインするうえでの工夫、などなど広範なテーマに関して話をしていただきました。

パネルディスカッションで個人的に印象に残ったのは、冨田所長の学生に対してのスタンスです。先生は生徒の研究計画に対し「理論的に無理だと思ったら、それは難しいと必ず言うようにしています。一方で、普通は無理だと思うようなことでも、理論的に出来るかもしれないならば、止めないようにしています。アメリカがやってできないのならばできないだろうと言って止めるのはすごく恰好が悪いと思っています。」とのことでした。

実際、もし冨田所長が、関山氏の研究に対して「クモの糸の実用生産は、NASAや米軍が莫大な予算を投じてもできなかったのだから、一学生には無理だろう。」と言って、彼のチャレンジを止めさせていたならば、現在のspiberの躍進もなかったわけです。

放任するわけでも、規則でがんじがらめにするのでもない。あくまでも生徒の興味関心を伸ばし、彼ら彼女らが自らのやりたいことに全力で取り組むことができる環境を提供する。これこそが冨田所長の教育スタンスであり、我々ZESDAが推進する理想のプロデューサーシップを実現されている方なのだなと改めて感じました。

f:id:ZESDA:20200101010853p:plain▲参加者が宿泊したスイデンテラス

f:id:ZESDA:20200101010909p:plain▲懇親会の様子

三部構成の長い日程をすべて終えて、ツアー参加者はスイデンホテルにチェックインし、19時半からの懇親会に臨みました。懇親会は参加者と冨田所長・西山氏・関山氏もお迎えしながら、地方と東京における教育の意義・地方創生の今後のあるべき方針など、侃々諤々と論じ合う濃密な交流会となりました。

実は、今回のツアー参加者は、ZESDA代表の桜庭氏など主催団体の一部とは知り合いではあっても、他のほとんどの参加者とは初対面という状態だったこともあり、ZESDAの”introduce”(補完し合える人材と人材を繋げること)が見事に功を奏し、新しい出会いから各々のコネやチエを拡張する結果へと繋がっていました。このツアーでの出会いから新しいビジネスや取り組みがいくつも生まれていきそうです。

懇親会の熱は一次会では冷めやらず、深夜までロビーで二次会を行っている参加者の方々も大勢いらっしゃいました。各自が各自の問題点を持ち寄り、白熱した議論を続けていました。

f:id:ZESDA:20200101010929p:plain▲二次会の様子

二次会では、当法人の代表である桜庭氏が冨田所長に「徳」について尋ねていたことが印象的でした。歴史的に、人を集め、改革を起こし、大きな事業を成し遂げる人には総じて「徳」というものが備わっていると言われますが、「徳」に対して、冨田所長は「私事の範囲を超えた部分で、どれだけ社会全体のことを考えて労力をかけることができている質と量、すなわち、その人の活動全体から私事を除いた部分のうち公事と重なっている部分の大きさである」と述べていました。「私」の部分で自分の活動をしているだけでは、それは「徳」であるとは言うことが出来ず、社会全体に対して自らがどれだけのコストを払い、貢献することができるのかに、その人の「徳」の総量が決まってくる。一日を通じて講演・パネルディスカッションで、冨田所長の言葉を聞いてきた中で、それらの話が「徳」の話に結実するように感じました。

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▲深夜まで懇談する冨田所長と参加者。三次会?は右からspiber関山氏・東京工業大学 古谷氏・私

私自身も深夜(というか明け方)まで残らせていただいて、東京工業大学特別研究員の古谷紳太郎氏とspiber代表の関山和秀氏のお二人から、社会で生きていく上でのチエを浴びるように話してもらうというとてつもなく貴重な体験をさせていただきました。

まとめ

さて、今回のツアーを通じて、参加者一同が向き合ったテーマは「人材育成」であったように思います。地方であろうと、良質な人材を集めることが出来れば、イノベーションを起こすことは可能ですし、地方からグローバルに経済活動を行うことも可能だと思われます。

そのような状況を生み出すためには、良質な人材をいかに「育てる」のかが重要なテーマとなります。人材を本当の意味において「育てる」ためにはチエを与え、コネを紹介し、カネを獲得する方法を本人自身に考えさせること、そして成功するまで「とことん」付き合う姿勢が必要です。この姿勢こそが冨田所長の教育理念の根幹にあるように感じました。今回のツアーを通じ、鶴岡が、世界と直接戦える地方の研究施設の数少ない事例となった理由を垣間見ることができたように思えます。


f:id:ZESDA:20200101011151p:plain▲スイデンテラスから臨む鶴岡イノベーションヴィレッジの朝の光景

熱気のこもった一夜が明け、私は他の参加者の方々よりも一足先に帰宅することとなりました。朝6時ごろ、スイデンテラスから少し離れたバス停から周囲の景色を眺め、あらためて鶴岡の美しさを感じました。静謐でありながらも、新しい何かが立ち上がってくるようなエネルギーの立ち込める、そんな早朝の光景。今年のツアーを総括するにふさわしい景色を背後に、私は鶴岡を後にしました。

あらためまして、今回のイベントを提案してくださった冨田所長、慶應大先端生命科学研究所の皆様、貴重な機会を提供していただき、誠に感謝申し上げます。

今後もNPO法人ZESDAは、さまざまなプロデュース活動やイベントを行ってまいります。これからも益々のご支援・ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。(了)

【開催告知1/11@明治大学】第6回ZESDA×明治大学グローカル・ビジネス・セミナー”台湾から見た日本のグローカリゼーション”

 NPO法人ZESDAは、中小企業の海外進出が専門の明治大学奥山雅之准教授とともに、地方が海外から直接お金を稼ぐグローカル・ビジネスをテーマにしたセミナーをシリーズ企画していきます。
 第6回目は、台北駐日経済文化代表処の経済部部長である周立氏に、台湾の概況と日台経済関係についてご講演いただきます。
 明治大学政治経済学部奥山准教授、周立氏と会場を交えたディスカッションを通じて、台湾に向けて日本がグローカリゼーションを展開していくための課題や解決方法などについて展望していきます。地方の中小企業が台湾に進出するきっかけになりますと幸いです。

 どうぞ、ご参加ください!

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■講師(敬称略)
 ・周立(しゅう・りつ)(台北駐日経済文化代表処 経済部部長)
 ・奥山雅之(明治大学政治経済学部 准教授)
■日時:2020年1月11日(土) 13:00~15:00
■会場:明治大学駿河台キャンバス「グローバルフロント」3階403D教室
   (東京都千代田区駿河台2-1)
■参加費:一般2,000円
■参加申し込み:https://glbs005.peatix.com/

glbs006.peatix.com

【受賞報告】春蘭の里がイタリアの食に関する名誉を受賞しました。

ZESDAに活躍のフィールドをご提供いただいている石川県奥能登「春蘭の里」が、10月10日にイタリアのリミニで開催されたTTG Experience in Rimini内の”GIST Travel Food Award 2019”にて表彰されました。

www.gist.it

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本授賞式を主催するイタリアの”GIST”は、イタリア国内外の旅行時に特徴的な食体験を提供するプロジェクトを数件、年1回表彰しています。

春蘭の里は、”International Best TravelFood Project”のカテゴリで、エコ・フードという観点で評価されました。

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授賞式には以前、ZESDAの宿泊客取次によって春蘭の里に観光で訪問され、プロモーション動画にも協力いただいたイタリア人のシルビアさんが、春蘭の里にかわって代理出席いただきました。

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驚くべきはシルビアさんのボランティア精神です。

受賞の予定をお話したところ、春蘭の里が直接授賞式に出席することの旅費と時間に配慮し、自ら片道350キロ(往復700キロ)の道のりを一人でドライブしてきてくださったのです。

シルビアさんによると、授賞式にはイタリア国内で著名なシェフやジャーナリストが参加し、春蘭の里の受賞を祝福してくださったとのことです。

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シルビアさんは、春蘭の里での田植えやいろりを囲んだ談笑などの体験を日本固有のかけがえのない財産として、後世に残すべき想いで行動に代えてくださいました。

シルビアさんの想いに心から感謝するとともに、今後ZESDAは世界中にシルビアさんのような想いを持ったサポーターを増やしていくべく、ネットワークづくりに尽力する所存です。

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春蘭の里来訪時のシルビアさんと、春蘭の里の多田ご夫妻

vimeo.com
↑プロモーション動画作成に協力いただいたシルビアさん(動画作成:野崎まさし)

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【開催告知11/9@明治大学】第5回ZESDA×明治大学グローカル・ビジネス・セミナー ”高知から世界へ”女性起業家がめざすグローカリゼーション

 NPO法人ZESDAは、中小企業の海外進出が専門の明治大学奥山雅之准教授とともに、地方が海外から直接お金を稼ぐグローカル・ビジネスをテーマにしたセミナーをシリーズ企画していきます。
 第5回目は、高知のご当地グルメとして名の知れた「龍馬バーガー」を生み出した「5019(ゴーイング)PREMIUM FACTORY」代表の森本麻紀さんにご登壇いただきます。高知のご当地バーガー「龍馬バーガー」が、香港で絶大な人気を誇っています。そのバーガーを生み出した森本さんは、香港で成功した外国人をたたえる「サクセスストーリーアワード」(香港政府主催)も受賞しています。 
 明治大学政治経済学部奥山准教授、森本さんと会場を交えたディスカッションを通じて、なぜ香港で高知発のご当地バーガーの味が認められたのか?――地方の名産品や飲食店がグローカルに展開していく際の成功のポイントを探ります。

どうぞ、ご参加ください!

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■講師(敬称略)
 ・森本 麻紀(株式会社グラディア(5019 PREMIUM FACTORY)創業者、代表取締役社長、高知日本香港協会会長)
 ・奥山 雅之(明治大学政治経済学部准教授)
■日時:2019年11月9日(土) 14:30~16:00
■会場:明治大学駿河台キャンバス「グローバルフロント」403N教室
   (東京都千代田区駿河台2-1)
■参加費:一般2,000円
■参加申し込み:https://glbs005.peatix.com/

glbs005.peatix.com