ZESDA's blog

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「緊急企画・オンラインセミナー/ニューヨークから学ぶべきこと・コロナ震源地レポート(2020年4月14日開催)」開催報告

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こんにちは!NPO法人ZESDAの深澤淳です。
2020年4月14日、ZESDAニューヨーク支部長である堀永さんのZoom公開イベントに参加してきましたので、開催報告致します。
本イベントの趣旨は、世界中で最も新型コロナウイルスの感染者数が多い地域となったニューヨークの現状をレポート。イベント参加者は60数名となりました。

「ニューヨークは日本の2週間先をゆく」ともいわれる現地からのレポートはとても興味深い情報でした。
以下にイベントまとめと、私個人の感想をお伝えします。

■ニューヨークの現状
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イベントのはじまりは新型コロナウイルス感染状況を時系列でおさらいすることでした。情報を整理してみると、不思議なことにニューヨークで発生した事態は25日後に日本で発生。4月13日にニューヨーク州知事の会見で「最悪期は脱した」と発言するも、疑わしいとのことでした。

ニューヨークの感染状況を理解する手助けとして、地理・人口・人種・移動手段などの点から東京とニューヨークの相違点を解説。

私が特に印象的だったのは、ニューヨーク居住者の人種と感染割合に相関があるという点。教育水準と経済水準によって感染リスクが変動するとのことです。例えば高所得者の多いマンハッタンでは感染者数が少なく、その辺縁では感染者数が多くなるというデータを紹介していただきました。

また堀永さん自身が肌で感じている、新型コロナウイルスの影響も語っていただきました。
知り合いの医療従事者からの情報で感染拡大を感じる。女性の知り合いは街中を歩くだけで罵倒されて、少なからず治安が悪化している。などなど日本国内からでは得られない現地の状況が垣間見えました。

■今後の予測
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イベント冒頭にあった感染状況のタイムラインの通り、今後日本で起きそうな事は、25日前にニューヨークで発生した事かもしれない、と改めて言及。
それを踏まえて、日本での外出禁止解除は6月20日かもしれないと予測しています。

この記事を書いている5月現在、特定警戒都道府県は5月末まで外出自粛を要請されています。もしかしたら6月20日解除の可能性も拭いきれませんね。
またニューヨークでは学校を9月再開を見込んでいることから、「25日後の日本」を当てはめて10月に日本の学校は再開するんじゃないかと予測しています。

■日本への示唆
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日本へ伝えたい重要なポイントとして、簡潔に3つお伝えいただきました。

・外出しない
・手洗い
・マスク着用

いずれも感染症予防に大事なポイントですね。加えて堀永さんはニューヨーク市民のメンタリティを引き合いにこう述べていました。

感染拡大を防ぐために、対策は徹底的にやるべき。ニューヨークは今とにかく「生き延びる」ことが最優先となっている。「外出するなと言われるけど、生活の補償はどうするの?」という声もあると思いますが、国や社会の補償をあてにしないで、自分でできる事を考えるべきだと思います。

たくましさを強く感じるアドバイスでした。自分の頭で考え、自分の身は自分で守る。そんな意識が流れているようにも思えます。

■参加者との質疑応答
堀永さんのレポートの後は参加者との質疑応答がありました。
ニューヨーク市民の生活、インフラ状況などリアルな状況が伝わってきて興味深かったです。

特に印象が残ったのは、在宅専門の医師である参加者の方からの質問でした。
この方は名古屋市内で診療をしており、訪問予定の人には毎朝電話で問診。感染リスクを減らしているとのことでした。誰が感染しているのか、感染源はどこか掴めない「薄氷を踏む」ような思いを吐露しています。
日本の医療現場からの声も伺えて、頭が上がらない気持ちです。

■感想
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ここからは私の個人的な感想を簡単にお伝えしたいと思います。時間に余裕のある方はご覧いただけたら嬉しいです。

●教育水準と感染者数との相関
堀永さんのレポート冒頭で、ニューヨーク居住者の人種と感染者数の割合は悲しいことに関連性がある。それは教育水準や所得の低さが原因である。というお話を聞いた時に浮かんだのが「教育水準と貧困の相関」でした。

ハンス・ロスリング氏の『ファクトフルネス』によると、世界の貧困は教育水準および所得と相関しているようです。つまり「低い教育水準の国は貧しい」ということです。
低い教育を受け、少ない知識だとブルーカラーの仕事に従事するしかなく、収入は低く豊かな生活は送れない。逆もまたしかり。というのが本書の主張です。

ニューヨークの新型コロナウイルス感染割合においても「教育水準と貧困の相関」の類似性を感じざるを得ません(厳密には「人種」ではなく「教育水準」「所得」が原因だと思います)。もしかしたら経済格差の広がるアメリカ全体でも、同じような傾向があるのではないかと感じました。

●医療従事者の方ありがとう

質疑応答の部で感じたように、感染リスクと日々戦う医療従事者の方には頭が上がりません。
幸いにして私は、新型コロナウイルスが流行してから医師等にお世話になっていません。しかしながら現在の厳しい現状を耳にすると、改めて感謝の念を覚えます。

■まとめ
今回の公開Zoomイベントは、新型コロナウイルスの影響を受けたニューヨークのリアルな情報を分かりやすく伝えてくれました。
治安の悪化や、市民がナーバス気味になるニューヨークとのことですが、25日後の日本もその姿にならないことを祈ります。
また先を行くニューヨークからのアドバイスであっても、「外出自粛・マスク着用・手洗い」という基本原則は変わりません。いかに重要な対策であるかが理解できます。
Stay Homeで用心しながらニューヨークからの続報を待ちたいと思います。