ZESDA's blog

グローカルビジネスをプロデュースする、パラレルキャリア団体『NPO法人ZESDA』のブログです。

プロデューシング・システムを創ることで、日本経済の活性化を目指す、NPO法人ZESDAのブログです。


「2020年の東京をプロデュース」 第17回プロデュース・カレッジ 開催報告

梅雨入りも近くなった今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

我々NPO法人ZESDAは、昨日の2015年5月16日に、「第17回 プロデュース・カレッジ 〜2020年の東京をプロデュースする〜」を開催致しました。

今回講師には、評論家としても著名な、雑誌PLANETS 編集長 宇野常寛氏をお招きし、将来のオリンピックも含めた2020年の新しい東京の都市計画についてのお話を伺いました。

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宇野氏が提唱されているのは、「2020年の都市としての東京」に対しての、alternative な案。
PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト



それは、今後数十年間の都市計画をふまえて、東京を世界の名だたる有力都市に引けをとらない「魅力」と「競争力」をそなえた都市にすることであると宇野氏は主張されます。

その具体策として、東京を文化的な違いを背景に5つの区域に分ける「東京5分割計画」といった、非常に斬新で興味深いアイデアをお話しいただきました。


「2020年の東京をプロデュースする」をテーマにしたワークショップでは、東京をライフスタイル毎に新たな4つの地域に分けるなど、講師の宇野氏も驚かれるほどのオリジナリティ溢れた「東京プロデュース」案が参加者の方から次々となされ、大変盛り上がりました。

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また今回は、参加者全員でワークショップで出たプロデュース案についての人気投票も行い、さらには優勝グループにはZESDAイベント無料券と宇野氏との写真撮影というプレゼントが贈呈されるなど、活気に満ちた会となりました。

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懇親会にも多くの参加者の方に出席していただき、参加者同士の親睦を深める大変有意義な会となりました。


今後もZESDAは活動の幅を広げるべく、尽力して参りますので、応援のほど宜しくお願い致します。

英国大使館 エネルギー・気候変動問題担当部長より「Why climate change matters and what we can do: a U.K perspective」Platform for International Policy Dialogue (PIPD) 第九回セミナー開催のご報告

 NPO法人ZESDAは、「官民恊働ネットワークCrossover」(中央省庁の若手職員を中心とする異業種間ネットワーク)との共催、(株)自由が丘パブリックリレーションズの協力により、在京の大使館、国際機関や外資系企業の職員、及び市民社会関係者をスピーカーに迎え、国内外の政治・経済・社会問題について英語での議論を通じて理解や問題意識を高める、「Platform for International Policy Dialogue (PIPD)」を開催しています。

 3月13日(金)朝7時30分より開催した第九回PIPDセミナーでは、ゲストスピーカーに英国大使館にてエネルギー・気候変動問題担当部長として活躍されているRichard Oppenheim氏をお招きし、「Why climate change matters and what we can do: a U.K perspective」をテーマにプレゼンテーションを頂いた上で、参加者の皆様と活発なディスカッションを行いました。

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 Oppenheim氏は、冒頭、経済的、社会的、そして政治的側面が絡む気候変動問題への対処は、PIPDで議論するのに最適な話題である、と述べられた上で、アジア地域を中心とした人口の激増と産業活動の活発化を背景に、地球上の二酸化炭素の増加による気候変動は既に生じていること、その結果、大規模な洪水、干ばつや海面上昇が発生している現実を紹介されました。その上で、地球の気温上昇を2050年までに、産業革命以前と比較して摂氏2度以内に抑えられなければ、様々なリスクが相互に影響を及ぼし合って拡大し、修復不可能なダメージを人類と地球に与える、と警告されました。そして、こうした事態に陥ることを防ぐために、「2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を1990年比で50%削減する」との目標に向けて、英国がどのように取り組んでいるかについて説明されました。

 まず、気候変動に対してトップダウンの政策形成を進めるため、中央政府に気候変動への対応策を担当する「エネルギー・気候変動省」を2008年に設立しました。また、「Carbon Budget」と呼ばれる温室効果ガスの排出量の削減値を設定しています。具体的には、2050年に1990年比で80%の削減を最終目標とし、これを実現するべく、2025年に1990年比で50%、2020年には35%と段階的な目標値も設定、これを国会において超党派で議決することで法的拘束力を持たせ、温室効果ガス削減に向けた強い政治的なコミットメントを確保しています。また、温室効果ガスの排出削減、エネルギー安全保障の強化、そして低廉なエネルギー価格の維持、という3つの政策目標を同意に達成するため、天然ガス再生可能エネルギー原子力の3つをバランスよく活用するとともに、石炭火力については、長期的に縮小していくエネルギー・ミックスを提示しています。また、発電所から排出される温室効果ガスを地中に保存するCCS(Carbon Capture and Storage)という新技術の実証実験にも力を入れていることも紹介されました。

 さらに、経済成長と気候変動対策を両立する質の高い成長を確保するため、未来の国のデザインとして、省資源化に配慮したスマートシティやコンパクトシティの形成、新たな輸送システムの建設等により、100万人規模のGreen Jobを創出し、約90兆ドルの新たな市場が生まれるといった試算を紹介しつつ、低酸素社会の実現は、気候変動を防ぐことに加え、国の経済力の強化にもつながるとOppenheim氏は指摘されました。

 さらにOppenheim氏は、「原子力は気候変動より危険か?」という難しい問題も提起されました。現在、日本は、原子力に関して特に慎重であり、原子力事故により放出され得る放射性物質に対して強い懸念を抱いている、と指摘しつつ、「将来のエネルギー政策決定には事実とフィクションを切り離すべき」ことを強調。原発事故に伴うリスクについては、喫煙や交通事故、さらには気候変動の深刻化に伴う災害の大規模化等、私たちを取り巻く他のリスクと比較した相対的な視点を持って認識をすべきこと、原子力の可能性を放棄するのではなく、絶えざる技術革新によりリスクを可能な限り抑制すべきことなどが必要であると主張されました。

 Oppenheim氏は、英国が世界規模の気候変動の問題に真剣に取り組んでいるのは、気候変動に対する国としての責任を考えた時に、英国は世界をリードしなければならない存在であり、気候変動は「我々の世代」で解決すべき問題であるという認識を大切にしているからだと述べられました。気候変動に対して自国が果たすべき役割について、産業革命を起こした英国が抱く自負の強さが感じられました。

 プレゼンテーション後の質疑応答では、重厚長大型産業や大量消費型のライフ・スタイルを好む人々と、気候変動対策の重要性を共有するにはどうすればよいか、グローバルな気候変動対策の議論に途上国・新興国の建設的な関与を引き出すには何が必要か、そのために日本に期待される役割は何か、政府の政策に、長期的な一貫を持たせるには何が必要かといった事柄について、参加者とオッペンハイム部長との間で、活発な議論が交わされました。

 今後もZESDAはグローバル・ネットワークを構築していくため、「Platform for International Policy Dialogue(PIPD)」を共催して参ります。
引き続き、ZESDAを宜しくお願い致します。

第17回 プロデュース・カレッジ 事前レポート②

 いよいよ今週末5月16日(土)、批評誌「PLANETS」編集長の宇野常寛氏を講師に迎え、第17回プロデュース・カレッジを開催いたします。

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 宇野氏によるPLANETSの最新号「PLANETS vol.9 特集:東京2020オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト」は、2020年の東京五輪開催を契機とした日本の未来像を、さまざまな角度から提示しています。

■「PLANETS vol.9」について:http://zesda.hatenablog.com/entry/2015/02/13/001011

第17回プロデュース・カレッジでは「2020年の東京をプロデュースする」をテーマに、宇野氏と共に5年後の「東京」をデザインし、未来の市場を拓く力である「プロデューサーシップ®」を高めます。

■プロデューサーシップ®について:http://www.zesda.jp/producership.html

すでに、多くの方々からの参加申込をいただき、誠にありがとうございます。

※お席に限りがございます。ご参加予定の方はお早めに「Peatix」よりご登録ください。
 イベント詳細・参加登録はこちら→→http://peatix.com/event/81801/

当日のスケジュールをお知らせいたします。

スケジュール:
12:30 受付開始
13:00〜13:10 はじめに
13:10〜13:30 ワークショップ①
13:30〜14:30 講演 (講師:宇野常寛氏) 
14:30〜14:45 質疑応答
14:45〜15:55 休憩
15:55〜15:25 ワークショップ②
15:25〜15:50 発表・講評
15:50〜16:00 終わりの挨拶

※タイムスケジュールや内容が変更になる場合がございます。あらかじめご了承下さい。
※当日はワークショップを行います。できるだけ時間厳守でのご参加をお願いいたします。

<懇親会>
時間:16:30~18:30
場所:渋谷JET渋谷三丁目店
http://r.gnavi.co.jp/gccb200/?sc_cid=tnp_ml
会費:2500円(2時間飲み放題)

※懇親会費はイベントの受付時にお支払をお願いいたします。

当日は、宇野氏による本の販売を予定しております。なお、事前に購入された本にもサインくださるとのことです。
ぜひ、第17回プロデュース・カレッジの前に「PLANETS vol.9 特集:東京2020オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト」をお読みいただき、会場にご持参下さい。

皆様のご参加をお待ちしております。

第17回 プロデュース・カレッジ 事前レポート①

 心地よい初夏の陽気が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 2013年9月8日早朝、2020年夏季五輪の開催都市が東京に決定しました。あの瞬間日本全体が大きな歓喜に包まれました。

 しかし一方で、今の日本がオリンピックを通じて一体どう変わるのか、東京の開発で東北の復興が遅れるのではないかといった冷めた感想を漏らす人も決して少なくありません。

 私自身も東京五輪を喜ぶ一方で、どこか他人事のような感覚を持ってしまっています。

 今回、講師でお招きする宇野氏が編集を手掛けるPLANETS vol.9では、2020年の東京五輪に向けて、全く新しい、本当に私たちが求める「2020年”から”始まる日本の将来ビジョン」を発信されています。

 今回のイベントでは、宇野氏のご講演を元に、参加者の皆様にも「2020年の東京を盛り上げ、2020年から始まる日本」を想像して頂きたいと考えています。

 イベントに参加される方でお時間のある方は「PLANETS vol.9 特集:東京2020オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト」を読まれてから参加されると、より楽しんでいただけると思います。⇒http://zesda.hatenablog.com/entry/2015/02/13/001011

 当日は本の販売を予定しております。事前に購入された本へのサインもしていただるとのことです。

 皆様のご参加をお待ちしております。

【開催概要】

イベント申し込み・詳細はこちらからお願いいたします
  →→→http://peatix.com/event/81801/

日時:2015年5月16日(土)開場12:30  開始13:00 終了16:00
   ※当日はワークショップを行いますので出来るだけ時間厳守でお願いします。
   ※参加者の条件は特にありません
   ※イベント終了後、懇親会を予定しています。
   場所は確定後、お知らせ致します(予定:開始16:30~ 会費2000円前後)

場所:日本経済大学大学院 246ホール
   (http://shibuya.jue.ac.jp/campuslife/facilities.html
   JR山手線・埼京線湘南新宿ライン
   渋谷駅南改札西口徒歩3分

会費:社会人2000円 学生1000円
   ※チケット購入時にSNS等にてシェアしていただきますと
     会費は10%割引となります。

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TED-Tokyo創設者・共同代表より 「新しいアイディアを創り出すための最良の方法とは?」 Platform for International Policy Dialogue (PIPD) 第八回セミナー開催のご報告

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 NPO法人ZESDAは、「官民恊働ネットワークCrossover」(中央省庁の若手職員を中心とする異業種間ネットワーク)との共催、(株)自由が丘パブリックリレーションズの協力により、在京の大使館、国際機関や外資系企業の職員、及び市民社会関係者をスピーカーに迎え、国内外の政治・経済・社会問題について英語での議論を通じて理解や問題意識を高める、「Platform for International Policy Dialogue (PIPD)」を開催しています。
 
 2月25日(水)朝7時30分より開催した第八回PIPDセミナーでは、ゲストスピーカーにTED-Tokyo創設者・共同代表であるPatrick Newell氏をお招きし、「How do we best create new ideas?(新しいアイディアを創り出すための最良の方法とは?)」をテーマにプレゼーテンテーションを頂いた上で、参加者とオープンなディスカッションを行いました。

 8つの異なる機関を運営されているNewell氏は自分を、「社長」ではなく、「自由人」もしくは「ちょうちょ(蝶)」であると紹介したうえで、約50名の参加者に対しこんなユニークな質問を投げかけました。「過去1年を振り返って、‟バカなことをやっちまった瞬間(Ridiculous Moment)“が思い浮かぶ人は手を上げて欲しい。」

 参加者の半数程度が手を上げたことを確認したうえで、Newell氏は続けます。「では、過去1か月は?この10日間ではどうだろう?」・・・最後の質問に手はほとんど上がりませんでした。「それでは、最近10日間で、大笑いした人はどのくらいいるかな?」・・・やはり、それほど多くの手は上がりません。

 Newell氏は一息ついて、「私たちは、十分に笑っていない。自分自身を笑い飛ばすことは、自らを、既存の思考や行動パターンから解放するうえで、とても重要なことです。」と強調しました。その上で、「斬新なアイディアを創り出すうえでは、自分の思考を可能な限り自由にする習慣を持たなければならない。」と指摘し、一例として、こんなアイディアを示しました。

 「たとえば、誰しも自分の中に‟ジャマオジ“-即ち、新しいアイディアを提案し実行に移そうとする際に、リスクばかりを指摘して、‟邪魔をするオジサン”が居座っている。この‟ジャマオジ“による邪魔を防ぐためには、‟トシハン”-‟歳半分の自分“を想像してみるとよい。たとえば、今60歳の人なら、同じ提案を30歳の時に聞いたり、思いついたりしたら、どのように思考し、そして行動するかを想像するのだ!」

 印象的でユーモアたっぷりのアドバイスに、会場は笑いに包まれます。

 続いて、Newell氏は、思考を自由にしながら、「3のP」、即ち、「目的意識(Purposeful)」、「情熱(Passionate)」、そして「喜び(Playful)」を自分が最も感じることが出来るアイディアや対象を見出すための方法として、「Mind-map」という思考訓練の方法を紹介し、参加者が実際に体験する時間を10分ほど持ちました。その際、Newell氏は、「もしも何も思いつかなければ、Mind-mapの中心に、ただ「アイディア」と書き、しばらく目を閉じてみよう。その上で、また考えよう。」とのガイダンスを共有してくれました。

 そして、Mind-mapのエクササイズを終えた上で、「良いアイディアとはどんな原則を満たすものだろうか?」という質問を会場に投げかけ、参加者からの意見を募りつつ、過去のTED-Talkにおけるいくつかの印象的なシーンを紹介しながら「Simple(単純で)」、「Concrete(具体的で)」、「Emotional(心を掻き立てられる)」、「Unexpected(想定外の)」、「Credible(信頼できる)」、「Story(物語)」を紡ぎだすことが、良いアイディアと呼べるものを創るうえでの大切な原則であると強調しました。

 さらに、思いついた斬新で良いアイディアを実現するためには「RDF=Reality Distortion Field (現実歪曲フィールド)」を創り出し、他者と共有することが有効であると指摘します。RDFとは、「自分たちが今いる場所」と、「たどり着きたい地点」との間にある、途方も無いギャップが、何だか埋められる気がすると、自分自身、そして他者に思わせるような、プレゼンテーション、対話や、仕事の任せ方に関する方法であり、Appleの元CEOのSteve Jobs氏が得意とするスタイルとして同社の中で好んで使われる表現とのことです。そしてRDFを効果的に作り出すうえでは、まず、自分自身がComfortable Zone(居心地の良い空間)から脱却する勇気を持つこと、他者に徹底的に自分の持てるものを与え、共有すること(Giving and Sharing)、そして、つながりそうもないことを、つなげる思考を採ること(Connect the un-connected)が重要であると指摘し、そのメッセージ性とユーモアにあふれた一時間のプレゼンテーションを終えました。

 プレゼンテーション後の質疑応答では、新しいアイディアを実現に移していくうえで、世代間の思考ギャップを超えるにはどうすればよいか、Newells氏自身のこれからの夢は何か、斬新なアイディアをもたらす‟第6感“を研ぎ澄まし、これを逃さないようにするために何が必要か、日常に埋没しないために持つべき思考や行動の習慣とは何か、といった意見や論点が出され、活発で双方向の議論が展開されました。

 今後もZESDAはグローバル・ネットワークを構築していくため、「Platform for International Policy Dialogue(PIPD)」を共催して参ります。
引き続き、ZESDAを宜しくお願い致します。