ZESDA's blog

日本の技術と世界のニーズをつなげるプロデューサーの支援・育成を通じて日本企業のグローバル競争力の強化を目指すNPO法人ZESDAのブログです。

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大澤教授訪問(第1回:2014年11月22日) キーグラフとは?

2014年11月22日、ZESDAスタッフは、「チャンス発見学」やゲームを利用してイノベーションを導く方法を研究する東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻大澤幸生教授の研究室を訪問しお話を伺ってきました。


大澤先生は、データを解析し可視化することで、低頻度ではあるが重要なデータを抽出し、新たな関連性を発見する「チャンス発見学」という新分野を創始された方です。近々学科長としてもご活躍予定と伺いました。また、経済産業省の「データ駆動イノベーション協議会」に先生ご開発のIMDJ(Innovators Marketplace on Data Jackets ) が採用される等、政府及び様々な企業と協力しながらご活躍されていらっしゃいます。



■ キーグラフとは?

先生のご研究のひとつには、データとしては稀にしか登場しないが重要な事象=潜在的なチャンスを発見するために、「キーグラフ」というアルゴリズムを用いてデータの可視化を行うというものがあります。これは、データにはほとんど残らないけれども、人の意思決定には重要な影響を及ぼしているものを発見しようとする試みです。例えば、スーパーにビールを買いに行き、スルメが並んでいたのでほしくなったが、1枚1000円もするのでやめて、100円のスナック菓子を買った場合を考えてください。この場合、お手頃なおつまみは売れるのでデータとして残りますが、高いスルメは売れないのでデータには残りません。しかし、スルメが高かったからスナック菓子を買ったのですから、この1000円のスルメは購買行動の意思決定において重要な役割をしていると言えます。



このような、データとして表面に現れる頻度は低いけれども重要な事象を発見することは、非常に難しそうではあります。しかし、そのようなところにこそブルーオーシャンへ繋がる鍵が存在し、また革新的なアイディアを生み出すヒントが眠っているとも思われます。所謂ビックデータの解析によるパターンの抽出のみから得られるものではなく、データの有機的な繋がりや生活の文脈から出る主観を働かせてデータを見ることこそ重要なのではないかと、大澤教授は考えておられます。ZESDAもまたそのように考えています。




下図は、ZESDAがクロスカルチャー・ゲームで利用した、タイのニーズと、その詳細情報、及びそれらの情報に対するタイ人のコメントを今回大澤先生にお渡しして試作していただいたキーグラフのひとつです。例えば、タクシー等を使う背景に暑くて汗が「嫌」ということがわかります。また、この「嫌」が氷売りの露天商を嬉しさにも繋がることから、多様な嬉しさは暑さへの辟易に由来していることが分かります。



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(図)「好き」「良い」「嬉しい」などのいずれかポジティブなワードを含むトピックだけを集めたもの


今回は、キーグラフ用にデータを整理しておらず、取り除いた方が良い要素も含まれたまま試作していただきました。また、今回は数種類ご作成いただきましたが、データの切り口を変えることで随分と異なる印象のグラフが作成されることもわかりました。ZESDAは今後、ビジネスアイディアを出す際の下敷きとしてキーグラフを活用していくことを考えています。またこのほかにも、大澤教授から、ニーズヒアリングの記録方法やビジネスプランを作成していく方法において、極めて具体的な助言を頂戴しました。



今後共、ZESDAは大澤研究室とともに、海外ビジネスチャンス発見に向けた試行を続けて参ります。

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