ZESDA's blog

日本の技術と世界のニーズをつなげるプロデューサーの支援・育成を通じて日本企業のグローバル競争力の強化を目指すNPO法人ZESDAのブログです。

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Mr. Dennis Chia(株式会社BOUNDLESS CEO)より「日本における国際化による地域活性化の可能性を探る」 Platform for International Policy Dialogue (PIPD) 第42回セミナー開催のご報告

NPO法人ZESDAは、「官民恊働ネットワークCrossover」(中央省庁の若手職員を中心とする異業種間ネットワーク)との共催、株式会社クリックネット まなび創生ラボ の協力により、在京の大使館、国際機関や外資系企業の職員、及び市民社会関係者をスピーカーに迎え、国内外の政治・経済・社会問題について英語での議論を通じて理解や問題意識を高める、「Platform for International Policy Dialogue (PIPD)」を開催しています。

 10月31日(火)午前7時30分より開催された第42回PIPDセミナーでは、株式会社BOUNDLESSのCEOを務め、外国人として日本の地方創生活動に取り組まれているDennis Chiaさんをお招きし、Exploring the Possibilities of Regional Revitalization Through Internationalization of Japan(日本の国際化による地域活性化の可能性を探る)についてお話頂きました。

 今回は、これまでデニスさんが外国人として日本の地方創生に取り組まれてきた経験を共有頂き、その経験の中で浮上してきた課題を参加者への「問い」として提示し、参加者同士によるインタラクティブなディスカッションが行われました。

 セミナー冒頭、デニスさんは現在の日本が抱える地域活性化に係る課題について言及され、「「少子高齢化」「人口減少」「東京一極集中」等多くの難問を解決するために、地域活性化の取組が活発になっています。しかし、こうした活動に参加する大半の人たちは日本人です。日本の全体人口が減少する中で、日本人のみで地域活性化を進めていても、地域間の取り合いに陥りかねません。」と問題提起をされました。

 次に、デニスさんは、日本で勉強している外国人留学生や日本を訪れる観光客の数が増加傾向であることを指摘されました。そして、「こうした機会を捉え、国際的な視野から地方の魅力と課題を再編成し、新しい切り口から日本の地域活性化に貢献することが出来ると考えている。」と強調されました。

 そこで、株式会社BOUDLESSの一事業として、外国人の視点を取り入れた日本の地域活性化のために活動している「地方創生パートナーズ」についてご紹介頂きました。「地方創生パートナーズ」は、地方創生やインバウンド観光の促進のために、外国人留学生や訪日外国人を地域の方とつなぎ、彼/彼女たちが活躍できるプラットフォームを構築するものです。その際に大事なことは、外国人をゲストとして扱うのではなく、積極的に事業に携わるパートナーとして協働することだと強調されました。
 これまでの活動事例について、①北海道 下川町、②福岡県 八女郡、③岩手県 遠野市、④北海道 浦幌町を挙げられました。お茶等の特産品や地元の教育制度、地域の生活文化や自然など、その地域特有の強みを生かすことが大切だそうです。これらの事例は比較的小規模な町ですが、日本の近未来における町作りのモデルとなり得るとのことです。なお各回の活動参加者はSNS等を通じて募集し、参加者の国籍は、アメリカ、中国、ベトナム、タイなど、多岐に亘っています。
 デニスさんは、「地方創生パートナーズの活動は、単なる観光旅行ではありません。ツーリズムは目的を達成するための手段であり、私たちの目的は、地域コミュニティーの中へ深く入り込み、地域の信頼を獲得し、地域活性化のための持続的なコミュニティーを形成することです。」と説明されました。

 デニスさんによるプレゼンテーションの終盤に、「地方創生パートナーズ」の具体的な活動フローについてご説明頂きました。
<ステップ1>~相互理解を深める~
 地方創生パートナーズが、活動対象地域の方々と交流を図り、その地域の文化や歴史、現在行われている取り組み、地域の理想像について学びます。同時に、地域の方々に地方創生パートナーズのビジョンや活動内容について紹介し、プロジェクトの趣旨を決めます。
<ステップ2>~多様な意見に触れる~
 地方創生パートナーズが、地域の行政や民間企業、住民等、より多様な方々と交流を図り、地域特有の文化や現時点での取り組みについて、多様な意見及び深い知識を身につけます。
<ステップ3>~新しいビジネスを創出する~
 地方創生パートナーズが、一定期間地域に滞在し、国際的な視点から地域の強みや課題を見つめ、地域活性化に繋がる新しいビジネスを創り出します。
<ステップ4>~世界へ情報発信する~
 以上のステップを経て、得た学びを海外に発信します。

 こうして、デニスさんが外国人として日本の地方創生に取り組まれてきた経験が会場に届けられました。そして、その活動を通じてデニスさんが感じた問題意識として、“What are the demerits of ‘regional revitalization’ through internationalization? What are the possible barriers faced by the local communities?”(国際化による「地域活性化」の欠点は何ですか?地域コミュニティーが直面する可能性のある障壁は何ですか?)という問いを提示して頂き、その解決策も含め、参加者同士のインタラクティブで活発な議論が行われました。
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 今回も会場提供にご協力頂いた、株式会社クリックネットまなび創生ラボの皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。