ZESDA's blog

グローカルビジネスをプロデュースする、パラレルキャリア団体『NPO法人ZESDA』のブログです。

プロデューシング・システムを創ることで、日本経済の活性化を目指す、NPO法人ZESDAのブログです。


【ご報告】クアラルンプールに日本のアンテナショップが開店!!

第9回ZESDAプロデュース•カレッジ「アジアンドリームをつかめ!!」(詳細はこちら→http://zesda.hatenablog.com/entry/2013/11/17/191812)で講師をしてくださった田畑則子氏が、ついにマレーシア、クアラルンプールに「show you JAPAN」というアンテナショップを立ち上げられました!


第9回ZESDAプロデュース•カレッジのワークショップでは、「クアラルンプールのショッピングモール内にブースを立てられるとしたら、何をしますか?」というテーマでアイディアを出し合いました。こちらが、まさにそのアンテナショップなのです!!


今後もコンテンツが増えて益々賑わうこと間違いなしです!
ZESDAも引き続き田畑さんのアジアン・ドリームを応援していきます。
お近くにお立ち寄りのかたは、ぜひ、足をお運びください!



http://showyoujapan.org/archives/150

https://www.facebook.com/noriko.tabata.9/posts/859754377404009


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【書評】『プロデューサーシップ 創造する組織人の条件』山下 勝 (著)日本らしいイノベーション・メソッドの理論的支柱になる一冊!

プロデューサーシップ 創造する組織人の条件

プロデューサーシップ 創造する組織人の条件

本書が展開する議論には、これからの時代、日本のビジネスマン・組織人が「いかに価値を生み出していくか」に関して、非常に有用な知見が数多く含まれていると思います。


例えば、プロデューサーの業態類型を整理し、多様性の豊かな人脈を背景にして、彼らを業界横断的な新規組み合わせを行うことによりイノベーションを導く「企業家型プロデューサー」の存在を指摘していること等、枚挙に暇がないところではあるのですが、
特に、強くコミットメントし合える「仲間」を代替不可能な存在と認識し、彼らの有機的な関係を価値創造活動の軸と考える点は、映画産業のみならず、イノベーションが求められるビジネス一般の未来においても極めて示唆的だと考えます。


というのも、知識やアイデアが簡単にネットで手に入ってしまう現代においては、思いついたアイデアを実際に「実現」する粘り強さこそが重要となります。そのようなタフな過程を走りきるには、互いをかけがえのない存在であると認め合う強い信頼性が不可欠となります。また、そのような信頼関係が互のクリエティビティをも引き出し合うことになりましょう。そして、そうした濃い人間関係は、企業内の官僚的な組織やチームの中よりはむしろ、所属組織の枠を超えた人間一人一人がもつ私的なネットワーク、いわば「仲良し集団」のなかに見出される、と本書は指摘しています。(尚、当団体のような本業を他に持つボランティアメンバーからなるNPO法人は、そのような仲良し集団の典型だとも思います。)


このように、「何をするか」ではなく、「誰とするか」に着目した本書は、「プロデューサーシップ」という、イノベーションを導く特殊なリーダーシップ、アントレプレナーシップの一類型を指摘する先駆的な書として、山下教授の関連書論文とともに、非常に重要な業績だと思います。


他方で、映画業界以外でいわゆるビジネス・プロデューサーシップを発揮していると言えそうな実例・諸論考もまた、巷(含む海外)に既に多数報告されているようにも思われます。ですからきっと、今後、それらとの関係性がより一層検証されていくなかで、同概念がさらに日本ビジネス界一般に普及し、日本らしいイノベーションメソッドの理論的支柱のひとつになっていくのではないかと思います。また、学問的蓄積はないながらも、ほぼ同様の着想から同名の概念を提唱し商標登録を保持する当団体も、その一助となりたいと考えています。山下教授のご指導ご鞭撻を賜りながら、一緒に活動していきたいと願っています。

活動報告:ニーズヒアリング(ミャンマー編<第2回>)

ZESDAでは、ニーズバンクと並行して在日外国人の方々へのヒアリングを行っています。

ニーズヒアリングは、ヒアリング対象国と日本の文化的・社会的なギャップや、同国での生活における気づきを丁寧にヒアリングし、本質的なニーズを掘り起すことを目的としています。

海外の市場でまだ気づかれていないニーズを探し出すことは、当該国・地域に新しい市場を作り出すための最初のステップとなります。

今回は日本経済大学の教授陣を交えて、ミャンマーの方々へのヒアリングを実施しました。
ミャンマーの方へのヒアリングは昨年3月に引き続き、2回目となります。


経済成長著しいASEAN諸国の中でも、親日家の多いミャンマーは、人口5,000万人超の市場を抱える潜在成長力のとても大きな国です。
近年ようやく日本企業の進出も加速してきましたが、規制緩和などから市場も整いつつあるミャンマーは、これからが本領発揮という印象があります。

今回は、そんなミャンマーに再び照準を当て、ミャンマーと日本の文化的・社会的違いの背景から生まれるギャップや同国での生活、生活中のニーズなどについてお話を伺いました。

コミュニティーの中心をなす喫茶店文化についてや、ミャンマーの学校生活、同国の課題、日本製品やサービスについての感想や要望など多岐にわたって活発な会話が繰り広げられました。

質問や会話の双方向のコミュニケーションを通じて、ミャンマーの方々が当たり前と思って意識していなかった独自の生活のスタイルや文化のあり方を改めて意識し、お話いただくことができました。また同時に、我々も気づいていなかった日本の特徴に気づくことができました。

このように異国に触れること、違う感覚を持った者同士がお互いに刺激することで気づく事柄は多くあります。
当たり前と思う所にこそ本質が存在し、そこに光をあて掘り下げていくことは、新たなチャンスを発見するための大きな足掛かりになると考えております。

多様な取り組みを通じて、チャンスを発見し、新しい市場を拓くべく、これからも日々活動して参りますので、応援宜しくお願い致します。

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第16回プロデュース・カレッジ 「未来予測2015-2030~ライフ・イノベーション~」 開催報告

 2015年2月28日に日本経済大学渋谷キャンパスにて、第16回プロデュース・カレッジを開催いたしました。

 今回は、シリーズ累計で1,200社を超える企業に導入されている未来予測レポートの著者である、株式会社アクアビット代表取締役・田中栄氏を講師にお迎えし、講演とワークショップを行いました。当日は約40名の方に参加していただきました。f:id:ZESDA:20150317131415j:plain

 前半は、『未来予測2015-2030~ライフ・イノベーション~』というテーマでご講演いただき、後半は、『生活に潜むライフイノベーションを探し、未来に流行りそうなものを考える』というお題で、参加者の皆様に5~6名のチームに分かれて議論を行い、各チームのアイディアを発表していただきました。

 まず前半では、「ライフ・イノベーション」の中の「予防医療」についてお話しいただきました。
 近年、新たな予防医療のビジネス、遺伝子・ゲノムを用いたものが既に出始めています。例えば、遺伝子検査を受け乳癌予防のため乳房切除に踏み切った女優のアンジェリーナ・ジョリー氏の例など、様々な具体例を交えながら、現在、そして未来に何が起きるのかといったお話を伺いました。

 人類は生命の設計図「ゲノム」を解読し、改変さえも可能になり始めています。
これにより、病気の根本的原因や老化のメカニズムの解明など、医療では革命的な変化が始まっています。また、生命を人為的に制御することは、医療だけでなく、農業や漁業、畜産などにも、多大な影響をもたらします。
 この「ライフ・イノベーション」により、我々の価値観やライフスタイルが大きく変わり始めており、新しいビジネスチャンスがたくさん生まれている、という興味深いお話を伺いました。

 ここで重要なことは、今までの「医療は経済力に関係なく皆平等」という社会から、「経済力が命を左右する」という社会に変わるということ。つまり、皆が平等に医療の恩恵を受けられないという現実に、我々が直面することになるということなのです。

 このように「ライフ・イノベーション」により、社会やビジネスがどう変わるのか。という講演内容を踏まえ、講演から得た気づきをさらに深めるために、後半では、ワークショップを行いました。
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 ワークショップでは、アイスブレイクとして、自己紹介とご自身の健康法について話し合ったあと、「15年後に『ライフ•イノベーション』によりどんなビジネスが必要とされるか」について議論しました。会場からは、「ビックデータを活用した占いビジネス」など、様々なユニークなアイディアが出てきました。

 ZESDAでは、社会に存在する課題の本質を捉え、柔軟なアイディアと多様なネットワークによってイノベーションを起こす人材を『プロデューサー』と提唱しています。『プロデューサー』には、日々の生活の中で課題の本質を捉える『目利き』の力が大変重要です。

 参加者の皆様には、今回のプロデュース・カレッジを通じて、日々の生活に様々な変化を起こす『ライフ•イノベーション』という本質的な変化(メガトレンド)を知り、異業種の参加者の皆様が、議論しアイディアを出し合い、短い時間で意見をまとめることにより、『目利き』の重要性や、そのノウハウについて体験して頂けたのではないかと思います。

 今後もZESDAは、新たな気づきやビジネスアイディアが得られる場を提供していきたいと考えております。

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米国農務省農業専門官より 「遺伝子組換え作物/動物/医薬品をめぐる議論について」 Platform for International Policy Dialogue (PIPD) 第六回セミナー開催のご報告

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 NPO法人ZESDAは、「官民恊働ネットワークCrossover」(中央省庁の若手職員を中心とする異業種間ネットワーク)、「霞ヶ関ばたけ」(霞ヶ関界隈で勤務するビジネスマン有志の勉強会)、「TEDee@kasumigaseki」(同地域の英語ディスカッションの勉強会)との共催、(株)自由が丘パブリックリレーションズの協力により、在京の大使館、国際機関や外資系企業の職員、及び市民社会関係者をスピーカーに迎え、国内外の政治・経済・社会問題について英語での議論を通じて理解や問題意識を高める、「Platform for International Policy Dialogue (PIPD)」を開催しています。

 1月28日(水)朝7時30分より開催した第六回PIPDセミナーでは、ゲストスピーカーに米国農務省で農業専門官として活躍されているEvan Mangino氏をお招きし、「遺伝子組換え作物/動物/医薬品をめぐる議論」についてプレゼンテーションを頂いた上で、参加者の皆様と活発なディスカッションを行いました。

 Mangino氏のプレゼンテーションは、「皆さんの中で、人類の経済活動に起因した地球温暖化が発生していると信じている人は挙手をお願いします」という問いかけで始まりました。ほぼ全員の手が上がったことが確認された後、別な質問が参加者に投げかけられました。「では、皆さんの中で、遺伝子組換え作物が安全だと考える人はどのくらいいますか?」今回は手を挙げた参加者は殆どいませんでした。Mangino氏はこう続けます。「地球温暖化が人類の経済活動によって引き起こされていると‟100%確実に”証明できる科学者はいませんが、観察される様々なデータから導かれる研究結果を人々は信じる傾向にあります。遺伝子組替え作物に関しても、科学者は誰一人として‟100%”安全だとは言っていません。これを証明するのは不可能です。ただし、‟遺伝子組換えでない食物、医薬品と比較して、危険であるという証拠は見つかっていない”のも、大量のデータに基づく事実です。しかし、多くの人々は、遺伝子組替え作物は危険であり、安全という主張はウソである、と信じる傾向にあります。」Mangino氏はこう指摘したのち、人間は、未知な事柄に対して恐れを抱きやすく、「No」と言いやすい傾向にあることから、先入観を可能な限り排除し、データに基づく事実を踏まえた議論が大切であると主張しました。

 プレゼンテーションでは、遺伝子組換え作物は、生活のあらゆる場面で利用されていることが具体的に紹介されました。例えば、糖尿病の治療に用いられるインスリンは、遺伝子組換え大腸菌により製造されており、市販されているチーズの約9割には、遺伝子組換え大腸菌によって生産されるレンネットという酵素が使われている他、市販されている食用油の殆どが、その原料に遺伝子組換え大豆やナタネが使われているそうです。また、19の発展途上国を含む27各国で約1,800万戸の農家が遺伝子組換え作物を栽培しており、大豆、綿、トウモロコシ、ナタネが世界4大遺伝子組換え作物と言われています。ハワイでは、栽培に適さない土壌でも育てられるように、ウィルス耐性の遺伝子組換えのパパイヤを栽培しており、レインボーパパイヤとして日本にも輸出しているそうです。  

 遺伝子組換え作物は安全でないと捉えられがちですが、遺伝子組換えにより、通常の作物より機能的に優れた性質を獲得しているケースもあるとのことです。Mangino氏は一例として豊富なビタミンを含有するゴールデンライスにより、栄養失調に伴うビタミンA不足による失明や死亡のリスクと隣り合わせにある途上国の子供たちを救うことが出来ると指摘。また、ジャガイモなど炭水化物を多く含む原材料を高温で加熱調理した時にできるアクリルアシドという成分は発ガン性が指摘されていますが、遺伝子組換え技術によりアクリルアシドの含有量が少ないジャガイモが開発されているそうです。このように、遺伝子組換え技術により通常の作物よりも健康に対する安全性が向上している作物が提供されているにもかかわらず、遺伝子組換え作物に対する感情的な恐怖心や拒否感により、これらの流通が阻まれていることが指摘されました。

 遺伝子組換え作物については、総じて、EU諸国は懐疑的、日本はやや懐疑的、アメリカは受容的な傾向にあったが、近年、全体的に、より一層懐疑的な方向にシフトしつつあるそうです。Mangino氏は、「遺伝子組換え作物に限らず、アルコールやカロリーの高い食事は、健康に悪影響を及ぼし得る」と指摘しつつ、「遺伝子組換え作物に関して人々が漠然とした恐れを抱くのではなく、事実を認識した上で、リスクだけでなく、便益も踏まえてその受容れの是非を判断すべきである」と主張されました。
 
 プレゼンテーション後の質疑応答では、遺伝子組換え作物を長期的に摂取することに伴うリスク、遺伝子組換え種子等を生産する米国の巨大企業に、途上国の農家が依存する結果発生する食糧安全保障上の問題、保守的傾向を持つ農家に対して新技術を受け容れてもらう際の課題、そして遺伝子組換え作物を輸出している米農家自身は、これらを消費しているか、といった論点について、活発な議論が行われました。

 今後もZESDAはグローバル・ネットワークを構築していくため、「Platform for International Policy Dialogue(PIPD)」を共催して参ります。
引き続き、ZESDAを宜しくお願い致します。